みなさまへ
世界の国々の中で、 こんなにたくさんのこどもの歌を持っている国はおそらく日本だけではないでしょうか。
ずっと昔からこどもたちに歌われてきた『わらべ唄』、西洋音楽をはじめて取り入れてつくられた『唱歌』、童話や童詩の創作運動を音楽と結びつけた『童謡』、そしてその精神を中心に据え今を生きるこどもたちに、歌う楽しさを送り続ける『新しいこどもの歌』。
こうしたさまざまなこどもの歌は「伝承」と「創造」という力強い営みの中で育まれ、今日に至るまで時を超え在り続けているのです。
この日本固有の文化『童謡こどもの歌』をたくさんの方々に親しんでもらい、長く歌い継いでほしいとの願いから、「童謡こどもの歌コンクール」(旧称:全国童謡歌唱コンクール)は1986年に誕生しました。
今年は第40回の節目を迎えるにあたり、新たに彬子女王牌を賜ることを大変喜ばしく思います。
コンクールの課題曲には、日本のこどもの歌の豊かな歴史が深く刻み込まれています。それを感じ取り、幅広い視野で選曲して楽しく歌い、心躍らせてご参加くださることを願っています。
童謡こどもの歌コンクール実行委員会
各部門への想い
「キッズ部門」
小学3年生以下が参加するこの部門への願いは、こどもたちが好きな歌を元気一杯に歌って遊ぶ、発表会のような場になることです。歌うことで、語彙力や人と人とを豊かに繋ぐ力を身につけていくこの年代に向け、詩人や作曲家は「幼児童謡」と呼ばれるたくさんの名曲を作っています。どんな曲がわれるか楽しみです。
「こども部門」
小学4年生から高校3年生までが参加するこの部門では、素直な歌唱・発声・動きを大切に、歌に対する理解力や想像力などが発揮されることを望みます。やや幅広い年代設定となりますが、その中で、豊かな選曲によりそれぞれの個性を充分に表現していただけるよう願っています。
「大人部門」
童謡こどもの歌を次の世代に伝えていくのは大人部門の大切な役目です。あなたの温かく力強い歌のメッセージをこどもたちに届けてください。今年も課題曲に新曲が追加されています。より豊かになった課題曲の中から、素晴らしい発見が生まれることを期待しています。
「ファミリー部門」
童謡こどもの歌ならではの楽しい世界を、チームワークよく和やかな雰囲気で歌い演じてください。チームワークとは家族の役割を音楽的に構成することです。メロディ・リズム・ハーモニーなどの分担に心を配り、それぞれの家族らしさを表現してください。
審査委員長/早川 史郎